· 

こむら返り

見ての通り、コブラがひっくり返っており、「コブラ返り」状態です。

関西地方(特に大阪では)こむら返りのことをコブラ返りといいます。

 

ふくらはぎがコブラを返したように見えるから?だそうです。(所説あるそうですが笑)

 

こむら返りというのは、多くの人が経験したことのある症状だと思いますが、私も整形外科に診療補助として勤務していても、「夜足がつるんですが、どうすればいいでしょうか?」と訴えていらっしゃる患者様が多くいらっしゃいます。

 

医学的には「有痛性痙攣」と言われ、突然意識せずに筋肉が痛みを伴い、ひきつれをおこすものです。

このこむら返り症状としては割合、ありふれたものなのですが、その原因は実は様々です。

治療に当たってはストレッチが最も簡単に自分で行えるものですが、同時になにか原因となる疾患をお持ちの患者さんは疾患に対する治療を平行する必要があります。

 

こむら返りの原因については以下のものが考えられます。

 

・水分不足(大量の汗をかく)

・熱中症の熱性けいれん

・電解質異常(細胞や血液中にあるナトリウムやカリウムのバランス異常)

・妊娠

・冷え

・長時間の同一姿勢

 

・尿毒症

・糖尿病

・運動ニューロン疾患

・全身こむら返り病(里吉病)

・肝硬変

・閉塞性動脈硬化症

 

対処法としては、

1.ストレッチ

攣って動いてしまった方向と「逆の方」へ伸ばすと軽快することが多い(伸ばすときは多少の痛みが伴います)。

 

2.水分、電解質(ミネラル)の補充

3.内服の服用(頻繁に攣り症状が生じる場合)

抗痙縮剤:ミオナール・テルネリン・ムスカルムなど

症状の強さによっては以下のお薬も使われることがあります。

抗不安薬:ホリゾンなど

てんかん薬:テグレトールなど

漢方:芍薬甘草湯など

注)上記はあくまで参考です。内服に関しては大前提として、お医者さんのご判断に従い処方してもらうようになさって下さい。

4.鍼灸治療

「腓腹筋痙攣に対して低周波鍼通電(鍼電気)を行い、痙攣の出現頻度でその効果を観察したところ、対象とした17例前例で頻度の減少が観察できた。(1998年 徳竹忠司他)」

 

という報告があるように鍼も非常に有効です!

当院でもこむら返りへの「鍼」でのアプローチはよく行っております。

 

また鍼だけでなく、こむら返りには「灸」も効果あるといわれております。ご自身でツボに(図参照)灸をしてみてはいかがでしょうか?

 

またお灸に関しては当院でも、「自分でできる灸講座」を適宜行い、正しいツボの決め方、お灸の据え方に関してご指導させていただいておりますので、ご希望の方は当院までお問い合わせください。

 

 

Higuchi