不意な動作、特にひねり動作で急に起こる腰の痛みを「ぎっくり腰」や「急性腰痛発作」と呼びます。海外では、「魔女の一撃」と呼ばれるようです。
要因はまだまだわからないことも多いのですが、多くは椎間関節内の滑膜の嵌入(かんにゅう)によるといわれております。場合によっては椎間板ヘルニアによる症状のこともあります。
椎間関節の滑膜の嵌入による症状であれば数日で症状軽快することが多く、鍼治療を行った際に、痛みが著効します。(下肢症状(足の痺れなど)を伴う場合は時間を要す場合があります)
ぎっくり腰の治療の基本は、いかに早く痛みを抑え、元の状態の動きに戻すか、だと考えております。
あまりに痛みが強い際には鎮痛剤を使うことも一つの手段だと考えております。
ある程度動ける状態であれば鍼を試していただくことも一つの選択肢だと思います。
当院では急性期はなるべく「時間は短く、治療は最小限に」しております。
痛みの場所が明確に椎間関節にある場合は、エコーで場所を確認し直接その近傍への刺鍼を行います(以下のエコー像参照)。その後単刺(刺してすぐ抜く)法で周囲の緊張の高い筋肉への鍼治療を行います。
椎間関節部へのエコー像(このエコー像を描出しながら黄色の↓部分へ刺鍼します)
(腰椎図の引用:http://www.takaoka-seishikai.jp/sickness/index.html)
季節の変わり目は、急な寒暖差により、様々な症状を引き起こしやすくなります。急な腰や首の痛みには鍼治療を試してみてはいかがでしょうか?
Higuchi