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冷え性によく使われるツボ考察

看板にも記載しておりました、冷え症改善のツボに関して少し書いていきたいと思います。今回紹介のツボはこの2穴。

 

「復溜(ふくりゅう)」

「膝陽関(ひざようかん)別名:寒府(かんぷ)」

 

 

 

冷え性の原因で最も多いものは、体温や血液の循環を支配する自律神経の不調によるもので、めまい、発汗異常など自律神経失調の症状を伴うのが特徴です。

 

東洋医学的には、冷えは腎虚(じんきょ)の人に多く見られます。

 

これは副腎や生殖器、それに身体の調整機能に関連が深い腎経という経絡の働きが低下している状態の事です。

 

この腎虚、すなわち腎経の働きを回復させるのに最も効果があるのが内くるぶしの上3横指のところにある復溜(ふくりゅう)穴です。

 

復溜には「温腎利水」「調和営衛」の作用があります。

 

 

「温腎利水」とは書いて字のごとく、腎を温め、お水分(浮腫みなど)を流すといった所でしょうか。

 

「調和営衛」は営衛不和(風邪が外から侵入して体の防衛機能に失調を引き起こし、頭痛・発熱・汗出・悪風・鼻鳴・乾嘔・脈が浮いている状態など)がみられる時に用いると、風邪を解除して営衛の失調を調整できる所です。

 

 

 

また寒府(かんぷ)穴は、冷え性改善のツボとしてよく取り上げられるが、あまり臨床的な検討はされておらず、温筒灸を寒府穴に施灸した研究「https://www.jstage.jst.go.jp/article/onki/77/3/77_237/_pdf/-char/ja

でも大きな効果がでているわけではなさそうなのですが…(笑)。

 

ツボの場所としては、膝の外側で陽陵泉穴の上3寸の場所にとり、「膝の痛み腫れ・拘縮」に対して治療を行う点なので、

 

仮に膝関節周辺に症状がある方と考えると、

 

膝の可動制限があると周囲の大きな血管等も循環不良を起こし、冷える可能性もあります。

 

膝の動きが良くなれば、周囲の大きな血管の循環も良好になり、冷えも改善する。

 

そんな所でしょうか。

 

またこれらの経穴をエコーで観察してみると、冷えの改善につながるヒントがあります。次回はその辺りを書いていきたいと思います。

 

Higuchi